副鼻腔炎<蓄膿症>・鼻茸の手術

副鼻腔炎<蓄膿症>の3つの手術

ケースによって3つの手術方法から選択します。

  1. ESS(内視鏡下副鼻腔手術)
  2. 内視鏡下鼻内整復術
  3. 拡大前頭洞手術(難治性前頭洞炎に対する手術)

ESS(内視鏡下・副鼻腔手術)

薬物療法、清掃などを継続して行っても改善が見られない場合には、手術による治療を行います。
従来までは、副鼻腔の炎症部の粘膜を剥がす方法が採られていましたが、骨の表面の露出、副鼻腔の生理的状態が損なわれる症例が少なくなく、新たな手法の開発が急がれていました。
近年、副鼻腔炎の原因のほとんどが固有鼻腔に、つまり鼻の中にあり、その原因である病変を改善し、副鼻腔との間の交通が可能になれば良い結果が得られることが分かってきました。それと併せて小型内視鏡の機能向上が進み、肉眼で確認することのできない鼻の奥、角度のある部位の観察・手術が可能になりました。
マイクロ・デブリッダーと呼ばれる、病変に当てるだけで安全に組織を切り取ることのできる器具の開発などにより、ESS(内視鏡下副鼻腔手術)が急速に普及した背景があります。
ESSは、従来の手術と比べて手術侵襲が小さく(身体へのダメージが少なく)、2~3週間必要だったのも入院期間も1泊2日程度へと短くなりました。
ただしESSは、非常に高い技術と、モニター画面を見ながら手術を遂行するための解剖学的知識、そして内視鏡手術執刀を何度も行ってきたという経験が要求される術式です。
当院では、病変の程度によって、患者様の安全を確保しながら、ご負担を最小限に留めることのできる受け入れ体制を整えております。

対象となる病状 鼻茸や慢性副鼻腔炎(蓄膿)による鼻づまりや鼻汁。
対象年齢 16~70歳程度
(鼻茸は6・7歳程度でも行う場合があります。)
意義 炎症が慢性化し、薬で治らない場合、手術で炎症のある副鼻腔を開放し、炎症を取り除きます。
手術方法 鼻の穴から内視鏡を入れて、テレビ画面で拡大し、手術をします。
鼻茸や奥の炎症はマイクロ・デブリッダーという最先端機器で安全にスピーディーに切除します。
麻酔方法 全身麻酔(局所麻酔で行う場合もあります。)
手術での危険性 ごく稀に目や脳の損傷(当院では1件もありません。)
手術所要時間 30分~1時間30分(炎症の範囲によって大きく変わります。)
入院日数 1泊2日
術後の外来通院 約6週間〔週2・3回(2週間)+週1・2回(4週間)〕

手術後の注意点

  • 術後4~7日間は鼻内に止血用のガーゼが入っています。
  • 入浴は4・5日目から可能です。
  • 飲酒、運動は2週間程度、禁止です。
  • 事務系の仕事は術後5日目から可能ですが、止血用のガーゼのため、鼻が詰まって腫れているので、外見上、見苦しくなります。

内視鏡下鼻内整復術

鼻の中で左右の穴を分ける「鼻中隔」や、「中甲介」「下甲介」といった棚の形状をした骨や軟骨は、比較的薄くできています。
鼻づまりの原因、あるいは副鼻腔炎の悪化因子の一つとして、これら鼻の中の構造物の形態異常が挙げられます。鼻中隔の湾曲、中甲介の内部の空洞、下甲介骨の形状が悪い、アレルギー性鼻炎等により下甲介粘膜が腫れたといったケースがその具体例です。
こういった場合には、内視鏡を使用して骨の構造を修復する手術を行います。いずれも鼻の中で行われるため、顔の見えるところに傷がついたり鼻の形状が変わったりすることはありません。粘膜下での処置のため、出血も少なくて済みます。
以下でご紹介する術式は、基本的に1泊2日~の短期入院で行っております。

内視鏡下鼻内整復術(鼻中隔矯正術)
鼻中隔粘膜を切開し、湾曲した骨の両側で粘膜を剥離させます。湾曲した骨を一部取り除いた上で、縫合します。

内視鏡下鼻内整復術(粘膜下下甲介骨切除術)
下甲介粘膜を切開し、下甲介骨の両側で粘膜を剥離させます。下甲介骨の一部を取り除いた上で、縫合します。

拡大前頭洞手術(難治性前頭洞炎に対する手術)

額の裏側にある前頭洞で起こる炎症(前頭洞炎)は頭痛や眼痛を引き起こすことがあります。

ただこの部位での炎症は症状が現れないことも少なくなく、鼻腔内にすら異常がない場合もあり、見逃されがちです。
脳ドッグや脳神経外科の受診で初めて気づかれる方が多いのが実態です。
眼や脳に近い前頭洞で異常が起きたときのリスクは高く、また鼻腔と繋がる交通も狭いため、難易度の高い手術となります。
従来は額の皮膚を切開する術式が一般的でしたが、美容上の問題や額の痺れなどの後遺症の問題もあり、現在では鼻内から行う内視鏡手術が可能になりました。内視鏡の進化、確実に骨を削る機器の開発などで、安全に治療が行えます。

当院の副鼻腔炎の手術の特徴

超高解像度CTで行う、確かな診断と安全な手術

詳細な立体画像で行うCT検査で、より確かな診断が可能になりました。また必要に応じて、手術中にもCT画像を確認し、一層の安全の確保に努めております。

豊富な手術件数と、熟練の技術

入院を要する鼻・副鼻腔手術が年100件以上、外来で行う手術を含めると年間200件以上に対応しております。日々進歩を見せる医学の中、耳鼻咽喉科をリードする当院の医師が、熟練の技術と最新の知識をフルに活用して手術にあたります。

複数以上の医師の立ち会い手術で質を高め、リスクヘッジも万全

当院の手術は、原則2人以上の医師立ち会いのもと行われます。1人がサポート役・チェック役に回ることで、スムーズで質の高い、リスクを最小限に抑えた手術となるよう努めております。この点は、他の短期滞在手術を行う医療機関と大きく異なり、当院で手術を受けていただく際には大きなメリットとなると自負しております。

経験豊富なナースチーム

当院自慢のプロフェッショナル・チームです。外部から見学に来られた医師やその関係者に、よくその動きの素早さと正確さにお褒めの言葉をいただきます。ただその分、医療への知識や技術の習得はもちろん、患者様への対応力についても常日頃から厳しく指導しております。

常に最新の医療機器へと更新

現代医学は、医師やナースだけでなく、医療機器の性能の高さにも支えられています。またそれらは常に進化し、素晴らしい成果を患者様にもたらします。
当院では、高機能の最新機器への投資を惜しまず、大学病院並みの設備も常に新しいものへと更新しています。ドイツ製の鼻内視鏡システム「Storz」、メドトロニックス社の「デブリッダー」、オリンパス社の「半導体レーザー」などはその最たるものです。

適切な入院期間、通院期間・回数

当院の短期滞在手術は、基本的1泊2日で行うことが可能です(鼻腔粘膜焼灼術を除く)。手術日は、当院自慢の病室でゆっくりとお休みいただけます。ただいくら居心地を良くしても、ご自宅での安心感はまた別格のものです。当院では、十分に安全に配慮した上で、患者様一人一人に合った最適な入院期間をご提案しております。ご希望であれば、2泊、3泊してからお帰りいただくことも可能ですので、遠慮なくお申し付けください。

副鼻腔炎<蓄膿症>・鼻茸の手術費用

副鼻腔炎<蓄膿症>・鼻茸の手術 実質自己負担額
内視鏡下鼻・副鼻腔手術 90,000~110,000円
鼻中隔矯正術 60,000~90,000円
粘膜下下甲介骨切除術 約10,000円

※実質自己負担額は、高額療養費制度を利用された一般的な所得<区分ウ>の方の概算金額です。所得によって異なります。また、入院期間・処置等によっても多少前後いたします。

慢性副鼻腔炎(蓄膿症)の1泊2日短期入院手術の症例動画