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2019.04.05

院長が語るアレルギーの話【第7弾】どんな手術があるの?

老木医院の院長、老木浩之です。
引き続き、花粉症の治療についてお話します。

免疫療法は近年急速に普及しつつある治療法です。スプレーの薬や錠剤を口の中で保持しながら服用するものです。
例えば、スギ花粉のエキスを薄めて身体に毎日入れていると徐々にアレルギー反応が緩和されるという治療です。免疫的にどのようなメカニズムで効果が出ているのはまだ十分には解明されていません。
この治療法の問題点は、効果が出ない人が3割ほどあること、つまり3人に2人の人にしか効果が見られないということです。
また、数年単位の長期間の服用が必要になりますし、湿疹等の副作用も出やすいといわれています。
以上の問題点はあるものの、最も根本治療に近い治療法といわれており、うまくいった場合の症状の緩和度は他のどの治療にも勝っていると言っても過言ではありません。
検討する価値のある治療だと思っています。

最後は、手術です。近年の手術の進歩により、数年単位というかなり長期に有効な手術が行われるようになっています。


手術の種類もあるので、それらをご紹介します。
まずは、手軽な手術としては鼻の粘膜をレーザーなどで焼灼する手術です。
粘膜を焼いて減量する手術なので鼻づまりに有効です。
また、焼くことによって粘膜表面から花粉が侵入しにくくなるので、くしゃみや鼻水にもある程度効きます。
この手術の利点は、外来でできるお手軽手術という点です。
数分程度で終わるので、当院では小学5年生以上で可能となっています。
欠点は、効果が不十分な場合があることで、特に鼻中隔湾曲など、ほかに鼻づまりの原因があると、十分な効果は見込めません。
また、効果の持続期間も数か月からせいぜい1年程度で、永続的な効果が得られるわけではありません。

次に、粘膜下下鼻甲介骨切除術と鼻中隔矯正術をご紹介します。
これは、鼻づまりがアレルギー反応による粘膜のハレだけでなく、骨のカタチが原因の場合に有効です。
鼻中隔という左右の鼻を隔てる壁が大きく湾曲していたり、下鼻甲介という粘膜の芯にある骨が分厚くなっている場合には、レーザーなどで鼻粘膜だけを処理しても鼻づまりの改善には至りません。
当院の場合は、1泊の入院でこれらの骨を削る手術をしています。

最後に後鼻神経切除術をご紹介します。
後鼻神経という神経は、鼻の粘膜下で網の目状に枝分かれして分布しており、「鼻水を出せ」と粘膜に指令を送る神経です。
その神経の幹や太い枝を切り取るのが後鼻神経切除術です。鼻水を出す指令を送れなくなるので鼻水の量は減ることになります。
この神経を切っても、一部の分泌神経が残り、また、自然分泌もありますので、鼻内が乾いてしまうことはありません。
ただ、効果に個人差があったり、数年程度で鼻水症状が再発してくることもあり得ます。

治療のまとめになるのですが、残念ながら、アレルギー反応を完全に防ぐ治療法はありません。
しかし、予防から手術まで、現在、様々な治療法が開発されていますので、症状や事情に応じて選択肢が用意されているとお考えいただきたいと思います。
どうぞお気軽にご相談下さい。

アレルギーの話 その1はこちらから
アレルギーの話 その2はこちらから
アレルギーの話 その3はこちらから
アレルギーの話 その4はこちらから
アレルギーの話 その5はこちらから
アレルギーの話 その6はこちらから
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