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2019.05.24

ヒトの身体は25時間周期?生物時計と睡眠障害について

老木医院の老木浩之です。

ヒトの睡眠覚醒リズムや生理機能は、昼夜の変化などを伴う通常の環境下では24時間のリズムで動いているそうです。
しかし、昼夜の変化がなかったり、時間を確認できない特殊な環境下では約25時間周期になってしまいます。
つまり、ヒトの中枢時計は約25時間の周期となっており、24時間周期の環境に合わせるためには、毎日1時間の補正が必要になるのです。
睡眠障害と日光
その1時間を補正して24時間周期に同調させる最も強力な方法が数千ルックス以上の明るい光であるということが実験データから証明されています。
つまり、朝、起床後に外界の太陽光を浴びることで生物時計の同調が達成されます。
この規則正しい24時間周期のリズムは、睡眠と覚醒という自覚的なものにとどまらず、日内変動のある種々のホルモンが規則正しく24時間周期を保つためにも必須なのです。

不規則な生活リズムなどで短時間睡眠に陥ると、この生物時計の同調が崩されてしまいます。
種々のホルモン・バランスが崩れるということです。
健康を損ねる主なものを挙げるだけでも、糖尿病、高血圧、肥満、気分障害など、重大な影響が出ることがわかっています(月間保団連2018:1283;11-17)。

私たち耳鼻科医に関係の深い睡眠障害が、『睡眠時無呼吸症候群』です。
無呼吸が頻発するために良質な睡眠が障害され、昼間に強い睡魔が襲ったり、仕事の生産性が落ちたりします。
この睡眠障害は本人の自覚がないことが多い点も厄介な特徴です。

さらに無呼吸自体もやはり健康被害の原因となり、高血圧やストレスを助長し、突然死の原因になるともいわれています。
睡眠障害が高度になると、どこでも瞬時に寝てしまうため、社会生活はおくれません。

私が勤務医の時代、睡眠時無呼吸の男性患者の鼻づまりを改善させる手術をすることになりました。
その手術の数日前に手術説明をしたのですが、対面で話しているとき、その男性は目を閉じて眠ってしまったのです。
この病気の重みを思い知らされた瞬間でした。

快眠は豊かな人生と心身の健康に必須です。まずはご自身の睡眠を見つめなおすことから始めてはいかがでしょうか。