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2020.09.24

【耳鼻科医が解説】点鼻液の副作用とおススメの使い方

点鼻薬のおススメの使い方

点鼻液について、一般の方はどのようなイメージをお持ちでしょうか。

鼻がつまったときに緊急避難的に鼻づまりを楽にする薬という印象をお持ちの方が多いのではないでないかと思います。そのイメージ通りに使っていただく分には全く支障はないのです。点鼻薬おすすめランキングのウェブページが存在するなど、人気の商品にもなっています。

しかし、一度、このスプレーで鼻づまりが楽になると、徐々に使う回数が増え、ついには『常用してしまう!』、これが大問題なのです。

この記事では点鼻薬の種類をご紹介しながら、点鼻薬を使いすぎてしまうことの副作用と、点鼻薬のおススメの使い分けについて耳鼻科医の視点から解説いたします。

点鼻液の種類

点鼻薬の種類

点鼻液は大きく分けて3種の成分に分けられます。

抗アレルギー薬

  • ザジテン
  • リボスチン
  • インタール

主として、抗ヒスタミン剤という、アレルギーの内服薬としてもっともよく用いられている薬と同じ成分を使った点鼻液です。

内服薬と同様、眠気が出る場合があります。鼻づまりに対する効果は全般的にやや弱い傾向にあります。

血管収縮薬

  • トラマゾリン
  • ナシビン
  • プリビナ
  • コールタイジン ※注:コールタイジンは血管収縮剤とステロイドの合剤です。

鼻粘膜は毛細血管の占める体積が大きく、その毛細血管を瞬時に収縮させる効果で鼻づまりを改善させます。

鼻づまりに対して即効性があり、自覚症状の改善度も高い薬です。しかし、そのため鼻づまりに対して常用する人が多く、長期間の使用でより鼻づまりが悪化するという副作用が問題となります。

ガイドラインではガンコな鼻づまりに対して1、2週間だけ、限定的に使うことになっています。

ステロイド薬

  • アラミスト
  • フルナーゼ(フルチカゾン)
  • ナゾネックス
  • エリザス
  • リノコート
  • リンデロン
  • オルガドロン

ステロイド薬はアレルギー反応を抑える強力な薬です。ただ、鼻づまりに対しては即効性が弱く、定期的な使用で効果を発揮します。

ガイドラインで鼻づまりに最も推奨されているのがステロイド点鼻液です。ステロイドというと副作用を心配されることが多いのですが、ステロイド点鼻液は局所使用なので、用法通りの使い方では比較的長期に使用してもほとんど副作用の心配はありません

ただ、スプレーではないリンデロンやオルガドロンはステロイド薬の中でも力価が高いステロイドが使用されていますので、長期使用は厳禁です。

※注:なお、イミグランという薬も広義には血管収縮作用がありますが、内服薬、点鼻液ともに『片頭痛の治療薬』として使用されるものです。鼻づまりの治療としては決して使わないでください。

点鼻薬おススメの使い分け

点鼻薬の使い分け

抗アレルギー薬

何らかの事情で内服薬を避ける必要がある場合に使用する、という考え方でいいかと思います。

例えば、他の薬をたくさん内服しているとか、胃腸の調子が悪くて内服薬を避けたい、という場合です。最も安全性が高く、ほとんどの妊娠期にも使用できる薬としてインタールがあります。ただし、効果のキレもあまり高くはありません。

ステロイド点鼻液

鼻づまりでお困りとか、軽症でも内服薬の眠気が気になる場合にお勧めです。ただ、即効性という点では弱いので、あきらめず決められた用法通り、定期的に使用することが大切です。

一番間違った使い方は、鼻づまりがおこった時にそれをすぐに解消しようとして不規則にスプレーをしてしまうことです。ステロイド点鼻液はそのような使い方をする薬ではなく、内服薬と同様、定期的に点鼻することによって効果を発揮します。鼻づまりの症状に関係なく、決めた時間に点鼻を行ってください

血管収縮剤

血管収縮剤の点鼻液は、市販のものが最もよく売れているようです。鼻づまりがすぐにとれて、気持ちよくなりますからね。

実は、私は日々の診療でほとんど血管収縮剤の点鼻液は処方しません。やはり、くせになってしまうことが一番懸念されるからです。例えば、2,3日後に入学試験があってどうしても鼻づまりを取りたいとか、特別な事情の時に1本だけと約束して出すようにしています。

それほど、この薬は常用されることに気を配る薬なのです。日頃、鼻づまりのある方は薬局で購入できるこの血管収縮剤の点鼻液に頼らず、ぜひ耳鼻科で相談いただきたいと願っています。

忘れないでいただきたいこと

点鼻薬の功罪

一般論としては、点鼻液の使い分けは上に示した通りです。ただ、最も大事なことは、鼻づまりの原因は自分では決してわからないということです。

長年、自己判断で鼻づまりに点鼻液を常用していて、効果が薄くなって耳鼻科を受診したら、鼻茸(はなたけ)ができていて手術になるとか、鼻中隔湾曲といって、鼻の中の骨や軟骨のカタチが鼻づまりの原因になっている場合も、やはり手術になります。

原因に応じた対策や治療を行うことが最も大切なことです。まずは耳鼻科(できれば手術治療に対応している耳鼻科)を受診し、相談いただくことが大切です。

これがあなたの鼻づまりの解決への早道であることを忘れないでください。

詳しくは鼻づまりのページ(https://www.oikiiin.com/stuffy-nose/)をご覧ください。