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2019.08.26

日本人のノーベル賞について

老木医院の院長、老木浩之です。
近年、日本人研究者のノーベル賞受賞が多くなっています。
メダルの写真
それは大変誇らしいことなのですが、多くは2,30年前の研究業績が評価されて受賞に至っており、かなり前の研究成果のことが多いのです。
これは、すぐにはどれほど優れた研究かが評価できず、長い年月を掛けて徐々にその値打ちがわかってくる場合もあるでしょう。
もちろん、山中教授のiPS細胞は異例といってもいいほど早期の受賞であり、いかに画期的で、世界に与えた衝撃が大きかったかを示しています。
私は、明治維新後に日本人が欧米に飛び出して以来、少なくとも海外で研究成果を挙げた日本人は欧米に引けをとらない業績を上げていると思っています。
また、日本国内でも、設備、人、金の研究環境が整っていないこと、論文発表のルートが狭くなることなど、多くのハンディキャップがあるにもかかわらず、国内の研究者も研究業績を上げてきたのです。

しかし、今、我が国の国民気質が変わってしまったのでしょうか。医学の分野に限らず、欧米への留学生が激減しているのが現状のようです。
例えば、ノーベル医学賞の審査を行うことでも有名なスウェーデンのカロリンスカ研究所は世界中から研究者が集まり、しのぎを削って研究に励んでいるところです。
戦後は東洋人の研究者というと多くは日本人でしたが、今や日本人はほんの少数派で、東洋人と言えば中国人、韓国人だということです。
あと10年、20年経つとノーベル賞を取るアジア人は中国人と韓国人ばかりになってしまうことでしょう。
この日本人の凋落傾向はどの分野にもいえることで、生産品の競争力や労働生産性など、かつて世界1を誇った分野で30位、40位程度という考えられないほどの惨状です。
これでは、日本の家電製品が海外で売れるはずがありません。

では、いったい何が悪いのでしょうか。教育が悪い、豊かになりすぎたのが悪い等々、いろいろなことに責任をなすりつけるのは簡単です。
しかし、これも世界中が経験している民族の盛衰として捉えるしかないのかもしれませんね。
勢いがあるときは世界で活躍できるし、そうでないときは何をやっても成果が出ない、ということなのでしょうか。
私は、この事態を決して第三者的に淡々と傍観しているわけではなく、何とかまた日本が活躍できることを切に願っています。
ギリシャやモンゴルのように、現代人のお国自慢が、パルテノン神殿やチンギスハーンというのでは寂しすぎますからね。