
「鼻うがい」とは鼻洗浄とも呼ばれ、代表的な鼻のセルフケア方法のひとつです。
ノドではなく鼻の中を洗い流す方法で、鼻をかんでも出てきにくい粘り気のある鼻水や、アレルギー物質(花粉やハウスダストなど)、雑菌、ウイルスを取りのぞくことによって、風邪、アレルギー性鼻炎、鼻づまり、副鼻腔炎などへの対策効果が期待されます。
鼻うがいの効果
花粉・ハウスダストなどのアレルギー症状の対策
鼻の粘膜に付着した花粉やハウスダストなどのアレルギーの原因を洗い流すことで、くしゃみや鼻水、鼻づまりなどのアレルギー症状を緩和します。
鼻の不快感の軽減
ティッシュで鼻をかんでも出てきにくい、ネバネバした鼻水を洗い流しすっきりさせることができます。
また鼻の粘膜を湿らせることでムズムズとした感じを軽減します。
副鼻腔炎(蓄膿症)の予防・症状緩和
副鼻腔炎(ふくびくうえん)は蓄膿症(ちくのうしょう)とも呼ばれ、顔や頭の骨の中に形成された副鼻腔と呼ばれる空洞に生じる炎症です。
風邪やアレルギー性鼻炎などによって副鼻腔内に細菌感染が起こることによって、粘り気のある鼻水や鼻づまり、頭痛といった症状があらわれます。
鼻うがいでは副鼻腔を直接洗い流すことはできませんが、異物や粘り気のある鼻水を洗い流すことで、予防や症状緩和の効果が期待されます。
意外と痛くない?鼻うがいの秘密
鼻の中を洗い流すとなると、「痛そう」「苦しそう」と恐いと感じる方が多いのではないかと思います。
実はただの水を使うのではなく、洗浄液を使うことによって痛みを感じることはありません。
鼻に水が入った時にツーンとした痛みがあるのは、水と鼻水の「浸透圧」が異なるためです。
鼻水や涙などの人間の体液は塩分濃度が0.9%です。洗浄液を鼻水と同じ塩分濃度にすることで浸透圧を等しくなり、洗浄液として使用することができます。
鼻うがいのやり方

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前かがみの状態で「あー」と声を出しながら、洗浄液を鼻に流し込みます。
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流し込んだ洗浄液を反対の鼻の穴から出します。(難しければ流し込んだ鼻の穴から出しても構いません)
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洗浄後にやさしく鼻をかみます。
鼻うがいの危険性・デメリット
鼻うがいの際は大きく上を向かない
大きく上を向いて鼻うがいをすると、洗浄液が耳に入ってしまう可能性があります。
そうすると中耳炎になる恐れがあります。必ず前かがみであまり上を向かないようにしてください。
洗浄液を勢いよく押し出さない
勢いよく注入すると、液が耳に流れ込んだり、鼻の粘膜を傷つけることがあります。
鼻うがい中に洗浄液を飲み込まないようにする
飲み込んでしまうと、耳に水が流れ込み、中耳炎になる危険性があります。
鼻うがい後は液を鼻から出すようにする
鼻腔内に残った洗浄液は、顔を傾けて流し出し、やさしく鼻をかんで鼻の中に残らないようにしましょう。鼻の中に液が残っていると中耳炎の危険性があります。
1日2回程度まで
鼻うがいをやりすぎると鼻の粘膜を傷つけてしまい、逆効果になってしまう可能性があります。
お子さまは要注意
小さなお子様の場合鼻うがいを上手くできないことがあるため、保護者の指導の下行ってください。市販の器具を使用するほうがやりやすいです。
誤嚥しやすい方は控える
誤嚥しやすい方は洗浄液が気管支や肺に入ってしまう可能性があります。鼻うがい自体を控えてください。
鼻づまりがひどい・ノドの炎症がある・中耳炎の方
症状が悪化する可能性があるので、これらの方は鼻うがいを行わないでください。どうしても希望される際は医師までご相談ください。
鼻うがいをしても治らない場合は?
鼻うがいは、鼻腔内の汚れや花粉、細菌を洗い流し、粘膜の炎症を和らげる効果が期待できるセルフケアです。
しかし、「毎日続けているのに鼻づまりが治らない」「喉の違和感が残る」「鼻うがいのあとに痛みがある」など、思うような改善が見られない場合は、鼻や副鼻腔の奥に炎症や構造的な異常がある可能性があります。
ここでは、鼻うがいをしても治らない場合に考えられる主な原因と、当院で行っている治療についてご紹介します。
鼻づまりが続く場合
鼻うがいをしても通りが悪い、あるいはすぐに詰まってしまう場合、鼻の奥に膿や炎症性の分泌物がたまっている、または鼻の構造にゆがみがあることが考えられます。
慢性副鼻腔炎(蓄膿症)では、鼻の空洞に炎症が広がり、膿がたまって鼻づまりや頭痛、嗅覚低下を引き起こします。
また、鼻中隔弯曲(鼻の仕切りが曲がっている状態)があると、洗浄液が反対側に通らず「片側だけ詰まる」「鼻うがいが抜けない」といった症状も起こります。
当院では、CT検査や内視鏡検査で原因を正確に特定し、症状に応じて薬物治療・内視鏡下副鼻腔手術(ESS)・鼻中隔矯正術などを行います。
セルフケアで改善しない鼻づまりは、一度当院で専門的に調べてみることをおすすめします。
鼻づまりが長引く方は:
喉の奥に鼻水が落ちる(後鼻漏)が治らない場合
喉の奥に鼻水が流れるような違和感が続く場合、上咽頭炎(鼻とのどの境目の炎症)や慢性副鼻腔炎が関係していることがあります。
これらの炎症は、鼻の奥から喉の方に粘り気のある分泌物が流れ続け、「痰が絡む」「咳払いが増える」といった後鼻漏症状を引き起こします。
鼻うがいで表面の粘液を流しても、炎症の根が奥にあると改善しづらいため、長引く場合は耳鼻科での精密検査が必要です。
当院では、内視鏡による鼻・喉の観察とBスポット療法(上咽頭擦過療法)を行い、慢性的な炎症の改善を目指します。また、炎症が副鼻腔に及んでいる場合は、内視鏡下副鼻腔手術で根本治療を行います。
喉に鼻水が落ちてくる感じが続く方は:
花粉症・アレルギー性鼻炎で鼻うがいを続けている方
鼻うがいは、花粉やハウスダストなどのアレルゲンを洗い流すのに有効ですが、「鼻水やくしゃみが止まらない」「症状がすぐ戻る」という場合は、鼻の粘膜が慢性的に腫れており、過敏反応が続いている状態です。
当院では、症状を一時的に抑えるだけでなく、レーザーによる下鼻甲介粘膜焼灼術や舌下免疫療法など、アレルギーの原因にアプローチする治療も行っています。
鼻うがいをしても花粉症がつらい方は:
鼻うがいのあとに痛み・違和感がある場合
鼻うがいの後に「鼻がヒリヒリする」「耳が詰まる」「痛みがある」という場合、洗浄液の温度や圧が強すぎたり、粘膜炎症や中耳炎が起きている可能性もあります。
鼻の奥と耳は耳管でつながっているため、強い圧で鼻うがいを行うと水が耳側に入り、痛みや詰まりを引き起こすことがあります。
当院では、このようなトラブルにも対応し、耳管機能検査や炎症治療、保湿ケアなどを行い、早期回復をサポートしておりますのでお気軽にご相談ください。
鼻洗浄器具のご案内
老木医院では以下の製品をお取り扱いしております。
ハナクリーンS

手軽に使えるハンディタイプ初めての方、お子さま用に
- ・1回150mlの洗浄液で鼻の中をきれいに洗えます。
- ・ボディプッシュ式なので片手で簡単に使えます。
- ・スライドノズルでコンパクトに収納できます。
- ・携帯便利なので外出先でも使えます。
※携帯用鼻洗浄器として特許を取得しています。
「ハナノア」など、販売されている鼻うがい製品の使用でも大丈夫です。
鼻・ノドの症状でお困りでしたら、お気軽にご相談ください。
鼻うがいを行っていても、症状が治らない・長引く際は、耳鼻咽喉科の受診をご検討ください。大阪・和泉市の耳鼻咽喉科サージクリニック老木医院では、鼻・ノドの治療を行っています。
地域密着で安心の診療体制
耳鼻咽喉科サージクリニック老木医院は、地域に住む皆さまが安心して通える耳鼻科を目指しています。小さなお子さまからご年配の方まで、幅広い世代の鼻・ノドの症状に対応。普段から気軽に相談できる「かかりつけ医」として、長く信頼いただける診療を行っています。
専門医による丁寧な診察と治療
鼻・ノドの中は自分では見えないため、症状の原因を自己判断するのは難しいものです。当院では経験豊富な耳鼻咽喉科専門医が、一人ひとりの症状に合わせた治療を行います。わかりやすい説明を心がけ、不安や疑問を解消しながら治療を進めていきます。
予約・お問い合わせはこちら
鼻・ノドの症状でお悩みの方は、どうぞお気軽に当院へご相談ください。
症状が軽いうちに治療を始めることで、早い改善につながります。まずは一度、ご相談ください。お仕事帰りや学校帰りにも通いやすい体制を整えています。
治療に関するご相談を希望される方はまずは下のボタンより一度お問い合わせくださいませ。






















