突発性難聴

突発性難聴とは

突発性難聴は、突然、左右の耳の片方、あるいは両方の耳が聞こえにくくなる、または聞こえなくなる疾患です。

最近ですと、アイドルグループ「HeySayJUMP」の八乙女光さんが発症を公表したことなどで、その名前がよく聞かれるようになりました。

突然症状が表れた難聴のうち、原因がはっきりと分からないものがそう呼ばれ、まったく聞こえない、高音だけが聞こえないなど、症状は人によってそれぞれです。

30~50歳代の成人に多く発症しますが、お子さまからご高齢の方まで幅広い年齢で発症する可能性があります。

突発性難聴の症状

突発性難聴は難聴以外に、以下のような症状を伴うことがあります。

  • 耳鳴り
  • めまい
  • 耳閉感(耳が詰まった感じ)

早期の治療を施せると回復しやすいのですが、発症後すぐ治療を受けないと、難聴や耳鳴りの症状が固定されたり、まれに聴力を失うことがあります。このため、聴力を回復させるためには、早期の治療開始が重要だとされます。

難聴を繰り返したり、治らない場合は、メニエール病や聴神経腫瘍などの他の病気の可能性もでてきます。

以下のような症状が見られたらすぐ(3,4日以内)に耳鼻科を受診しましょう。

  • 片側の耳が聞こえない
  • 耳が聞こえにくい
  • 音が聞き取りにくい
  • 耳鳴りが続く

突発性難聴の原因

突発性難聴の原因は未だよく分かっていませんが、血流障害やウィルス感染が原因になっているのではないかといわれています。

突発性難聴は以下のような要因があると起こりやすいとされます。

  • ストレス
  • 過労
  • 睡眠不足
  • 多量の飲酒
  • 糖尿病

突発性難聴の治療

血流障害によって起こる細胞のむくみや炎症を抑える効果がある、副腎皮質ステロイドという薬の内服、または点滴による薬物療法が中心となります。

必要に応じて、血管拡張薬、代謝改善薬、ビタミンB12を併用します。

軽症の場合

外来にて内服薬を処方します。

重症の場合

入院のうえ点滴投与を行います。当院では突発性難聴にともなう入院治療は行っていないため、別の医療機関を紹介いたします。

治療の効果は通常、数日から23週間で表れます。ただし、発症から治療開始が遅れれば遅れるほど、完治が難しくなってしまうので、注意が必要です。

発症時の注意点

突発性難聴の予防としては以下のような点を心がけましょう。

  • 安静にする
  • ストレスを減らす
  • 睡眠をよくとる
  • 大きな音を聞かないようにする
  • 急激な気圧の変化を避ける
監修医師

  • 老木 浩之
  • ・耳鼻咽喉科サージクリニック老木医院 理事長
  • ・日本耳鼻咽喉科学会認定専門医
  • ・厚生労働省 補聴器適合判定医師
  • ・医学博士

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