耳が詰まった感じの原因と治療法

耳が詰まった感じ、ふさがった感じというのは非常に不快なもので、耳閉感(じへいかん)と呼ばれるものです。その原因はいろいろありますし、病気によっては早く治療を始めないと治りにくくなる病気もありますので、早めの耳鼻科受診がおすすめです。

耳が詰まった感じの原因

中耳に異常がある場合

急性中耳炎・慢性中耳炎

急性中耳炎や慢性中耳炎で中耳に膿がたまったり、鼓膜に穴が開くと、聴力がやや低下して、耳閉感が出てきます。

外傷性鼓膜穿孔

外傷性鼓膜穿孔といって、鼓膜を耳掃除で突いてしまったり、平手で耳をたたいた空気の衝撃で鼓膜が破れることもあります。

滲出性中耳炎

幼児期と高齢者に多いのは、滲出性中耳炎といって鼓膜の奥に滲出液が溜まった状態で、不快な耳閉感がよく起こります。幼児期は耳閉感を自分で表現できないことが多いので、耳を気にしてそうな仕草をした時には耳鼻科を受診していただきたいです。

耳管開放症といって、中耳と鼻咽腔をつなぐ細い管の働きが異常な場合でも耳閉感につながることがあります。   

外耳に異常がある場合

外耳炎

外耳に何か異物が入ったり、外耳道が狭くなった場合には耳閉感を感じます。外耳炎で外耳の皮膚がハレて外耳道が狭くなる場合があります。

サーファーズイヤー

サーファーの方などで、長年、外耳が冷水にさらされると外耳の骨が盛り上がってきて狭くなり(骨腫)、やはり耳閉感が出てきます。これをサーファーズイヤーを呼びます。

外耳道内に水が入り、なかなか抜けない場合、耳垢がたまって完全に外耳道がふさがってしまった場合などがあります。

外耳や中耳に異常がない場合

診察上、全く問題がなくても、聴力検査をすると、聞こえが悪くなっている場合があります。主として、内耳の病気の場合で、代表的な病気は、突発性難聴、低音障害型感音難聴、メニエール病などがあります。

他に、ロック・コンサートなどで大音量の音を聞いた後に聞こえが悪くなったり、耳閉感が出る場合があります。これは内耳が大音響で障害を受けた状態で、音響障害と言います。早めに受診していただきたい状態です。

めまいや耳鳴りなどを伴う場合と伴わない場合があります。突発性難聴の場合は早く治療を開始しないと治癒率が低下するといわれていますので、できるだけ早くに受診する必要があります。

耳が詰まった感じの治療法

急性中耳炎

比較的軽度の場合、お薬による治療が主体となります。抗生物質の内服、点耳薬などを使用します。

強い耳の痛みや発熱が続く場合、保存的治療だけでは十分な効果が期待できない場合には、鼓膜切開術による治療を行います。鼓膜のごく一部を切開し、中耳内の膿を取り除きます。

慢性中耳炎

細菌の増殖を抑えたり死滅させるために、抗菌薬(抗生物質など)を飲んだり、点耳薬を用いたりします。肉芽や真珠腫がある場合にはそれらを取り除く手術を行います。鼓膜の穴をふさぐ手術(鼓膜形成術)や、耳小骨が損傷している場合はこれを修復する手術(鼓室形成術)を行います。

外傷性鼓膜穿孔

小さなものであれば、鼓膜の穴は自然にふさがります。この場合入浴や水泳で耳に水が入らないように注意し、耳の中を乾燥で清潔に保ちます。

感染症を起こしている、または感染症が疑われる場合は、抗菌薬の経口投与や点耳薬の外用での治療を試みます。

2か月以上穴がふさがらない場合は手術が適用となります。

滲出性中耳炎

幼小児期と高齢者では治療法が違ってくることがあります。小児では、定期的な経過観察で自然治癒するかどうかを3か月は経過観察をします。その後、必要に応じて、鼓膜チューブ留置術を行う場合があります。

高齢者では、治療法は確立していませんが、難治性の場合にはやはり鼓膜チューブが適応されるものの、長期の通院が可能であれば、週12回の耳管通気で軽快していく例も見られます。

外耳炎

軽い外耳道炎であれば、耳掃除をしないようにするだけでも自然に治ります。ステロイド入り軟膏や抗生物質入り軟膏を状態に応じて塗ります。

炎症や痛みが強い場合には抗生物質や痛み止めの内服薬を処方します。炎症が高度な場合には、皮膚切開で排膿する処置抗生物質の点滴が必要な場合もあります。

サーファーズイヤー

手術によって原因となる骨腫を取り除きます。サーファーズイヤー担当医のホームページにて詳しく解説しております。

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耳に関するその他の症状

以上耳が詰まった感じの原因と治療法について解説させていただきました。その他の耳に関する症状は以下のページにて解説しております。

監修医師

  • 老木 浩之
  • ・耳鼻咽喉科サージクリニック老木医院 理事長
  • ・日本耳鼻咽喉科学会認定専門医
  • ・厚生労働省 補聴器適合判定医師
  • ・医学博士

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