後鼻漏(鼻水がノドに流れる)の原因・症状・治療

後鼻漏とは

後鼻漏とは、鼻・副鼻腔や上咽頭(鼻咽腔)で産生された液体が、鼻の穴から出ず、後ろに回ってのどに流れ落ちる状態のことです。
鼻水がたくさんノドに流れ込むことで、ノドの違和感・不快感が生じるに加え、ノドの粘膜を傷つける恐れがあります。

重症の場合、後鼻漏の不快感によって食事や睡眠などの日常生活に支障をきたす場合があります。

後鼻漏による症状

  • 鼻水がノドへ流れ落ちてくる
  • 咳(せき)
  • 痰(たん)がからむ
  • ノドの違和感・異物感
  • 食事への支障
  • 睡眠障害

後鼻漏の原因

後鼻漏の原因となる疾患としては、以下のようなものが挙げられます。

風邪

鼻に侵入したウイルスや細菌を排除するために鼻水が多くなります。

アレルギー性鼻炎

花粉やハウスダストなどのアレルギーの原因物質に対する反応によって鼻水が多くなり、ノドに流れる鼻水の量も増えます。

副鼻腔炎

顔や頭の骨の中に形成された副鼻腔と呼ばれる空洞に生じる炎症です。副鼻腔内に粘り気のある鼻水がたまり、ノドへと鼻水が流れます。

上咽頭炎

鼻の奥にある上咽頭で炎症が起こった状態です。細菌・ウイルス感染などで起こり、後鼻漏の主な原因となります。

後鼻漏の診断

後鼻漏の原因を特定するために必要に応じた検査を行い、アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎、上咽頭炎がないかを確認します。

  1. 内視鏡検査
  2. 副鼻腔CT検査
  3. 鼻・咽頭の細菌検査
  4. アレルギー検査

原因となる疾患が明らかになった後は、それに対する治療を行って症状改善を目指します。

後鼻漏の治療方法

鼻水を発生させている原因別に以下の治療を行います。

アレルギー性鼻炎の場合
  • 抗アレルギー薬の内服
  • 点鼻薬
  • レーザー治療(下鼻甲介粘膜レーザー焼灼術)
  • 手術療法(後鼻神経切除術)
  • 舌下免疫療法

など

副鼻腔炎が原因の場合
  • 抗菌薬などの内服
  • ネブライザー治療
  • 手術療法(内視鏡下副鼻腔手術)

など

上咽頭炎が原因の場合
  • 抗菌薬などの内服
  • ネブライザー治療
  • Bスポット療法(上咽頭擦過治療:EAT療法)

など

また、必要に応じて漢方を処方する場合があります。

後鼻漏を自力で治す方法

後鼻漏の原因となるアレルギー性鼻炎・副鼻腔炎・上咽頭炎などの諸疾患に対して、鼻うがい(鼻洗浄)は予防・症状緩和の効果が期待できると言われています。

販売されている鼻うがい用品を活用しての鼻うがいが推奨されます。

監修医師

  • 老木 浩之
  • ・耳鼻咽喉科サージクリニック老木医院 理事長
  • ・日本耳鼻咽喉科学会認定専門医
  • ・厚生労働省 補聴器適合判定医師
  • ・医学博士

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