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2023.06.27

梅雨・台風の時期に表れやすい『気象による体調不良』とは?

夏がやってきました。夏は梅雨や台風などで気候が不安定になりやすい時期です。それは、雨が降る前に頭痛がしたり、台風が近づくとめまいがするといった天候の変化による体調不良が生じやすい時期でもあります。

こういった、気圧・温度・湿度など気象の変化に伴って起こる体調不調があるのです。俗には『気象病』とか、「天気痛」などと呼ばれる場合もあります。

 気象による体調不良は頭痛やめまい、疲労感、関節痛、気分の落ち込み、吐き気、喘息など様々な症状が出るのが特徴で、季節の変わり目や梅雨の時期、台風が多い時期などに起こりやすいとされます。

気象による体調不良の代表的な症状

  1. 頭痛
  2. だるさ
  3. めまい
  4. 耳鳴り
  5. 倦怠感
  6. 関節痛
  7. 肩こり
  8. 腰痛
  9. 気分が落ち込む
  10. 眠気
  11. イライラ
  12. 頭がぼんやりする
  13. 腹痛
  14. 下痢

気象による体調不良の原因は?

気象による体調不良は、気圧・気温・湿度など変化によって自律神経のバランスが崩れることが原因で起こると考えられています。

自律神経は、主に昼間に活発になる交感神経と、夜間に安静時に活発になる副交感神経との二種類があり、この二つの神経が内臓や血管の働きをコントロールしています。

この自律神経が気象の変化に過剰に反応してしまうことで起こります。

気圧の変化

特に気圧の変化は気象による体調不良に影響しており、「内耳」が深く関係しているといわれています。

内耳は主に、耳で受けた情報を脳や神経に伝える役割をしている器官です。内耳の前庭器官には気圧の変化を感知する機能があり、前庭器官が気圧の変化に敏感に反応することで自律神経のバランスが崩れ、症状が出ると考えられています。

梅雨の時期には低気圧が続いたり、台風によって急速に気圧が下がるなど、梅雨や台風の季節に季節病が多いのはこのためだと考えられています。

気温・湿度の変化

気圧の変化だけでなく、寒暖差や湿度が高い状態も自律神経のバランスが乱れる原因と言われています。

また寒暖差はくしゃみや鼻水、鼻づまりなどの「寒暖差アレルギー」と呼ばれる症状を引き起こすことがあります。これは寒暖差が刺激となって鼻の粘膜の血管が広がり、粘膜が腫れることで生じると考えられています。

気象による体調不良への対策は?

自律神経のバランスを整えていくことが大切です。

規則的な生活・ストレスをためない

不規則な生活やストレスは自律神経のバランスが乱れる原因となります。十分な睡眠をとる、ストレスをためないようにするなどを心掛けましょう。

適度な運動を行う

筋肉をつけることで基礎代謝が上がり、抵抗力がつきます。

また、適度な運動やストレッチによって体の緊張をほぐし、自律神経のバランスを整えることも重要です。

食生活を見直す

栄養バランスが取れた食事を摂ることはもちろん、しょうがやにんにくなど、血行を促進する効果がある食材を摂る事も好ましいです。

40℃前後のお風呂に入浴する

適度な温度のお風呂にゆっくりと入浴することは自律神経を整えるのに有効です。

自律神経をしっかり整えて、体調が不調になりやすい季節を乗り切っていきましょう。

気象による体調不良以外にもダニアレルギーに注意

 また、梅雨・台風のシーズンは湿度の高い季節でもあります。この時期はダニが繁殖しやすい時期であり、ダニを主なアレルゲンとするハウスダストアレルギーの症状が問題となる季節でもあります。

掃除

ダニを減らすための対策や掃除にはかなりの労力がいります。すべての部屋でそれを継続して行うことは不可能だと割り切ってください。1部屋しかできない場合は寝室、2部屋できる場合は寝室と居間です。

それ以外の部屋は通常通りの掃除か、1、2室に労力をかけるため、普段よりも手を抜きましょう。

整理整頓・片付け

椅子や家具はできるだけ、その部屋に置かないようにします。本など積み重なっている場合は片づけて、できるだけスッキリと、必要最小限のものだけを置くようにしましょう。ホコリをたまりにくくすることと掃除をしやすい環境を整えることが大切です。

室内の環境づくり

室内は湿度を下げるため、風通しを良くします。除湿器の使用も効果的です。

換気は毎日必ず行い、掃除は2日に1度は丁寧な掃除機がけを行ってください。床がフローリングの場合には、掃除機をかける前にフローリング・ワイパーで拭き掃除をし、掃除機の排気によるホコリの舞い上がりを防ぎます。

空気清浄機も掃除中と掃除終了後一定時間稼働させると効果が上がります。

床材・カーテン・カーペット

できるだけ起毛された素材は避けてください。ぬいぐるみやクッションは置かないようにし、衣類はきっちりと片づけましょう。

寝具の掃除

布団の掃除がけ/毎日

掛け布団で片面1分あまりのペースでかけることを心がけます。掃除機をゆっくり動かすことが大切で、普段の3分の1くらいのスピードで行ってください。四隅にダニがたまりやすいので、念入りに行います。

布団の天日干し/週2回以上

1回2時間以上干すと湿度は30%以下になるとされています。布団を叩くと中のダニの死骸やフンが細かくなり、除去しにくくなるため、表面のホコリを拭き取る程度にします。面倒でも、シーツは外して洗濯し、布団だけを干してください。

布団の丸洗い/月1・2回

できる洗濯機を持っておられる方はぜひ行ってください。コインランドリーの大型洗濯機でも可能です。

布団の買い替え・クリーニング/シーズンに1度

布団の買い替えは大きな効果が期待できます。シーツ買い替えの際はダニ防止用のシーツなども販売されていますのでご検討ください。

クリーニングの際は、布団丸洗い業者にダニ対策用の熱処理をするのかどうか確認して、依頼しましょう。大きな効果があります。

監修医師

  • 老木 浩之
  • ・耳鼻咽喉科サージクリニック老木医院 理事長
  • ・日本耳鼻咽喉科学会認定専門医
  • ・厚生労働省 補聴器適合判定医師
  • ・医学博士

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