においがしなくなったら耳鼻咽喉科に!においの障害を3種類に分けて説明します

こんにちは、月曜日午後、木曜午前、金曜午前午後、第1~3土曜日の診療を担当している医師の竹田将一郎です。今回はにおいの障害(嗅覚障害)についてお話します。
嗅覚障害
耳鼻咽喉科ではよくある症状ですが、「においが全くしない」「においが鈍くなった」「本来と異なるにおいがする」「異臭がする」など、その実態は様々です。なかには「味が分からなくなった」とおっしゃって来院された患者さんの話をよく聞くと、味覚は落ちていないがにおいが分からないため食物の風味が分からなくなっているケースもあります。

原因は大きく分けて【気導性】【嗅神経性】【中枢性】の三つに分類されます(難しい言葉で申し訳ありません)。病態や代表的な疾患は下に示す表のとおりです。

気導性 においの通り道(鼻腔)が詰まることに起因します。
アレルギー性鼻炎副鼻腔炎、鼻内腫瘍など
嗅神経性 鼻の中にあるセンサー(嗅神経)が障害されることに起因します。
風邪などのウィルス感染
中枢性 脳の中枢に信号を伝える神経の機能が低下することに起因します。
*嗅覚自体の改善は難しいケースが多いです
脳の外傷、脳梗塞、パーキンソン病など

診察や検査で即診断がつくものもありますが、においの感覚は客観的に評価する方法が少ないのが現状です。そのため特に患者さんの訴えに、耳を傾けなければならない症状のひとつだと考えています。

病院を受診される際は、症状の始まった時期や増減をはじめ、持病や他の病気の治療歴、お薬の使用状況などあわせてご相談ください。